岩石試験

ボーリングコアやブロックサンプルを用いて、各種岩石試験を実施しています。

試験項目

試験名 規格 最短
試験日数
試料必要量 備考
物理試験
岩石の密度試験(ノギス法) JGS 2132 岩塊50~100g コアでも可。一軸等と兼用可。
岩石の含水比試験 JGS 2134 岩塊20~100g 500g等の岩塊でも可。
岩石の密度・含水比・有効間隙率・吸水率試験
力学試験
岩石の圧縮強さ試験 JIS M 0302 コア径の2倍程度の長さ 強度のみ
岩石の一軸圧縮試験(変形係数) JGS 2521 コア径の2倍程度の長さ ダイヤルゲージ計測
岩石の一軸圧縮試験(静ポアソン比) JGS 2521 コア径の2倍程度の長さ
パルス透過法による岩石の超音波速度試験 JGS 2110 コア径の同等程度の長さ 一軸等と兼用可。
圧裂による岩石の引張り強さ試験 JGS 2551 コア径の同等程度の長さ
岩石の三軸圧縮試験(UU) JGS 2531 コア径の2倍程度の長さが4本 3本でも試験可能。
点載荷試験 JGS 3421 岩塊10個程度 扁平なもの、小さすぎるものは不可。
針貫入試験
シュミットハンマー試験
膨潤性試験
岩石の吸水膨張率試験 JGS 2121 コア又は岩塊を5cm程度
岩石の吸水膨張圧試験 JGS 2121 コア又は岩塊を5cm程度
岩石のスレーキング試験 JGS 2124 岩塊3個程度
岩石の促進スレーキング試験 JGS 2125 約1ヶ月 岩塊3個程度
乾湿繰返しによる岩石の吸水率試験 nexco試験法 111 約1ヶ月 岩塊500g程度
岩石の浸水崩壊度試験 nexco試験法 722 岩塊3個程度
CEC試験 JGS 0261・土壌分析法 岩塊100~200g程度
X線回析 (定性分析・定量分析) 岩塊50~100g程度
メチレンブルー試験 岩塊100~200g程度
材料性試験
破砕性判定のための岩石の破砕試験 nexco試験法 109 19~37.5mm 9kg
岩石の促進スレーキング試験 nexco試験法 110 約2週間 19~37.5mm 9kg 旧スレーキング率試験
硫酸ナトリウムによる骨材の安定性試験(岩石) JIS A 1122 約2週間 岩塊100g×50個程度
割ぐり石 JIS A 5006 10×10×20の角柱3本
モース硬度試験 岩塊1個程度
岩石の透水試験

試験詳細

岩石試料の整形①

ボーリングコアから圧縮試験や超音波速度試験などに使用する供試体を作成する場合、ダイヤモンドカッターを用いてコアを必要な長さに切断します。長さは直径の2倍とするのが一般的です。

ブロック試料の場合には、初めに電動コアカッターを用いてコア状に抜き取り、その後に切断します。

←左写真:ダイヤモンドカッターによるコア切断状況

岩石試料の整形②

切断したコア試料は切断面を研磨して仕上げます。
コンクリートコア試料も同様に研磨します。

←左写真:自動研磨機による端面研磨状況

岩石の一軸圧縮試験 JGS 2521 ,JIS M 0302

岩石の圧縮強度とともに変形係数(静弾性係数)を求める場合に実施します。岩石の一軸圧縮試験については、旧建設省の土木試験基準(案)・日本鉄道建設公団の地質調査標準示方書・土木学会の軟岩の調査試験の指針(案)等でも規準化されていますが、特に指定がない場合には地盤工学会の規準で実施しています。実際の試験方法においては各規準とも大差はありません。歪測定の方法はダイヤルゲージ・ストレインゲージ・LDTの3種類実施可能です。  

圧縮強度のみ求めたい場合はJIS M 0302に準じて試験を実施します。 

岩石の非圧密非排水(UU)三軸圧縮試験  JGS 2531

岩石の粘着力C、内部摩擦角φを求めたい時に実施する試験です。

複数の円柱供試体に異なる側圧をかけてせん断します。1試料につき4本の供試体で実施することが標準とされています。

弊社では主に軟岩を対象に実施しています。

パルス透過法による岩石の超音波速度試験 JGS 2110

岩片の超音波伝播速度を測定します。P波・S波の2種類があり、このうち原位置における弾性波速度に対応するのはP波です。S波からは密度試験結果と合わせて動ポアソン比・動弾性係数等を求めます。P波のみの試験も承ります。超音波伝播速度は供試体の飽和度により異なります。自然状態での試験が一般的ですが、強制湿潤・強制乾燥状態での試験も実施しています。

岩石の密度・含水比・有効間隙率・吸水率試験

土質工学会、JH、JR、旧建設省の4つの規格が一般的です。試験方法はほぼ同じですが、炉乾燥温度や試料の大きさ・形・数の規定が少しずつ異なります。弊社では土質工学会の比重試験に準拠して試験を実施しています。供試体は50g以上の塊でΦ50mmのボーリングコアなら長さ2cm程度のものを3つ用意します。自然状態・72時間水浸後の強制湿潤状態・24時間110℃乾燥後の強制乾燥状態の3状態の重量および強制湿潤状態における水中重量を測定することで、計算により自然含水比・密度・吸水率・有効間隙率が求まります。水浸により崩壊するような試料の場合には試験は実施できません。

岩石の吸水膨張試験 JGS 2121

膨張性の岩盤の評価などに用いる試験で、吸水膨張率と吸水膨張応力の二つの試験があります。

供試体の大きさはどちらも同じで、直径40~60mm、高さは20mmです。

左写真の例は吸水膨張応力試験で、供試体の高さを固定し、供試体の吸水膨張によって発生する加圧板を押し上げる力を小型のロードセルで連続的に測定します。

左写真右上は測定に用いるデータロガーです。

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