コンクリート試験

主にはコアまたは粉体にて採取した硬化コンクリートの各種試験を実施しています。
弊社で現場での採取から実施することも可能です。もちろんコア、粉体を持ち込んでいただいても結構です。
ソフトコアリングによる小径コアの採取から試験も実施しています。
また、セメントペースト・モルタルの圧縮強度試験なども実施しています。施工管理のための立会での試験実施などにも対応します。

試験項目

試験名 規格 最短
試験日数
試料必要量 備考
硬化コンクリート
コンクリートの密度試験 コア径の2倍程度の長さ
コンクリートの圧縮強度試験 JIS A 1108 コア径の2倍程度の長さ テストピース対象
コンクリートからのコアの採取方法及び圧縮強度試験 JIS A 1107 コア径の2倍程度の長さ 抜き取りコア対象
コンクリートの静弾性係数試験 JIS A 1149 コア径の2倍の長さ
コンクリートの中性化深さの測定 JIS A 1152 コンクリートの対象部分 周面・割裂
硬化コンクリートに含まれる塩化物イオンの試験 JIS A 1154 50g程度以上 コア・粉体
蛍光X線分析による塩分含有量測定 20g程度以上 NETIS KK-100109-VR
促進膨張試験(アルカリ溶液浸漬法・カナダ法) 約1ヶ月 φ50mm 長さ130mm以上
促進膨張試験(飽和NaCl溶液浸漬法・デンマーク法) 約3ヶ月 φ50mm 長さ130mm以上
促進膨張試験(JCI-DD2) 約4ヶ月 コア径の2倍以上の長さ
小径コアによる圧縮強度試験 ソフトコアリング φ約25mm 長さ50mm以上 ソフトコアリング協会 正会員S12-01
小径コアによる中性化試験 ソフトコアリングC+ φ約25mm  ソフトコアリング協会 正会員S12-01
粗骨材の肉眼観察
偏光顕微鏡観察
粉末X線回折
走査型電子顕微鏡観察(SEM)
エネルギー分散型X線分光器(EDS)
等価アルカリ量試験
EPMA
セメントペースト・モルタル
セメントペースト・モルタルの圧縮強度試験 コア径の2倍程度の長さ モールド・袋にて事前搬入
試験練り 各配合量による 練り混ぜ・養生・圧縮試験
ブリーディング率試験

試験詳細

コンクリートの圧縮強度試験 JIS A 1108

供試体は基本的に円柱形で、供試体直径は粗骨材の最大寸法の3倍以上とします。また、供試体高さは直径の2倍を原則とし、それより短い場合には補正係数を使用して強度を低減します。補正係数は高さ/直径が1以下の場合には適用できないので、供試体高さは最低でも直径以上なければなりません。弊社では直径150mmの供試体まで試験を実施できます。なお、構造物から採取したコア供試体の場合、JIS A 1107の規定に基づき、40~48時間水浸後に試験を実施するようにしています。

←左写真:アムスラーを用いた試験の様子

コンクリートの静弾性係数試験 JIS A 1149

静弾性係数試験は歪みを測定しながら圧縮強度試験を実施します。弊社ではストレインゲージを使用してひずみ測定を行います。

供試体高さは直径の2倍を原則とし、それより短い場合には参考値扱いとしています。

歪測定に用いるストレインゲ-ジの長さについて、骨材の最大寸法の3倍以上・高さの1/2以下と規定されています。

←左写真:ロードセルとストレインゲージを用いた静弾性係数試験

コンクリートの中性化深さの測定 JIS A 1152 JHS 311

コンクリートにフェノールフタレイン1%溶液を吹きかけて、発色の状態から中性化深さを測定します。コンクリートは空気に触れている表面から中性化し、中性化した部分は発色しません。発色しない部分の表面からの長さを中性化深さといいます。一般にコア採取したコンクリートコアを用いて試験します。簡易的にはコア表面で試験する場合もありますが、コア採取の際の水、摩擦等の影響で中性化の境界がやや不明瞭になりがちで、また採取してから時間を置くと空気に触れて中性化が進んでしまうので、採取後早い段階で試験する必要があります。一般的には、コアで試験する場合、コアを軸方向に割裂して割裂面で実施する方法が推奨されています。はつりやドリルを使って現場で測定する方法もあります。

蛍光X線分析による塩化物含有量試験(NETIS KK-100109-VR)
硬化コンクリート中に含まれる塩化物イオンの試験 JIS A 1154

コンクリート構造物の塩害を調査するための試験です。採取したコンクリートコアやコンクリートのドリル粉を用いて試験します。

一般的に表面から20mm間隔で何点か試験を実施します。

コア試料の場合、無水のカッターで所定の深度のコアを切断し、風乾させたのち150μm以下に粉砕した試料で試験します。ドリル粉を用いる場合でも、150μm以下に粉砕して試験します。

蛍光X線分析による方法は、アワーズテック社製OURSTEX101FAを用います。必要試料は約20gで、主に高速道路の調査で利用されています。

JIS法は必要試料が50~100gで、硝酸銀滴定法、電位差滴定法で実施可能です。

コンクリート試料の粉砕

蛍光X線分析や塩化物イオンの試験に供するコンクリートは、75~150μm以下に粉砕します。

粉砕には実験用ジョークラッシャー(写真左)やミル型粉砕機(写真右)を用います。

ソフトコアリングによる圧縮強度試験

小径コアを使った圧縮強度試験です。

正確には建築用の規格(ソフトコアリング)と土木用の規格(ソフトコアリングC+)に分かれており、前者は直径18.0~26.0mm、後者は直径23.5~26.5mmのコアを使用します。

どちらも一般社団法人ソフトコアリング協会がコア採取から圧縮試験まで一貫した技術として特許を取得しており、同協会の会員しかコア採取および試験を実施できません。

弊社はソフトコアリング協会の正会員となっています。

ソフトコアリングC+による中性化試験

小径コアによる試験のうち、土木の規格であるソフトコアリングC+で採取したコアを用いて中性化試験を実施します。

フェノールフタレインを用いることは、通常のJIS規格の中性化深さの測定と変わりません。

中性化深さの測定はコア周面で実施します。

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